無力な僕らの世界と終わり




凸凹でちぐはぐなあたし達は、マックを出てから歩いて、駅前のベンチに座った。


あたしと美山さんが並んで。
少し離れて、瑠樹亜。


ウチの高校は自転車とバス通学が多くて、この駅を利用する生徒は少ない。
ざっと見渡しても、あたし達以外に同じ制服を着ている子は見かけなかった。


ミーティング、とは言っても、それほど話し合うことなんてない。

あたしはクラスも性別も違う二人の、橋渡しをするだけのことだ。


旅館では、男子と女子は離れた部屋で寝ることになる。
先生から配布されたプリントでは、ウチのクラスの男子と、F組女子の部屋は、かなり離れた場所になっていた。

先生達の部屋は、ちょうど真ん中あたり。


非常口は廊下の突き当たりで、F組女子の部屋が近かった。


消灯時間になる前に、二人の荷物をバレないように非常口から外に出しておく。

荷物とは言っても、それほど多くはないから、それは簡単だと思う。
食堂ですることになっている、食事の時間を利用すればいい。



修学旅行中は携帯電話使用禁止になっている。

学校からは携帯やスマホを持ち込まないように言われてるけど。
それを忠実に守る生徒はいないと思う。


でも、瑠樹亜も、美山さんも。
携帯は自宅に置いてくるつもりでいるらしい。

GPSなどで行き先がバレるのを防ぐためだと思う。


だからあたしは二人の代わりにこっそり自分のスマホを持ち歩く。
何かあった時に、連絡が取れるように。




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