無力な僕らの世界と終わり
あたしがいつか、(あれはまだ、一年の頃だ)瑠樹亜を屋上で見付けた時。
あの時も、瑠樹亜はコンビニの袋を持ってたっけ。
中からゴソゴソッと板チョコを出して。
美味しそうに食べてた。
それから、空を見て。
(あの日は、抜けるような青空だった)
笑ったんだ。
いつもより、うんと。
意地悪な顔で。
二時間目は好きな英語の授業だったけれど。
あたしは瑠樹亜の後を追うようにして教室を出た。
どこいくのー?と、のんの声が聞こえたけれど。
聞こえないふりをする。
なんだ、今日のあたし。
やけに勇気あるじゃん。
だって、昨日の、あの笑顔。
あの笑顔が、悔しかったんだ。
あたしも欲しい。
あの、ふにゃっとした、笑顔。
どうしたら、今よりもっと。
瑠樹亜に近づけるんだろう。
そう思ったら、もう。
止められなかった。