無力な僕らの世界と終わり
泣いたらいいじゃん
最悪な空気のまま、あたし達は夕食を摂った。
おばあちゃんと、おばさんが作ってくれたご飯。
どれもこれも、美味しいはずなのに。
ご飯から、ジャガイモから、お味噌汁から。
上がる湯気は白くて、暖かくて。
「おつかれさん」そう言って食卓にご飯を並べてくれるおばあちゃんの顔も、おばさんの顔も。
暖かくて、温かくて。
「いただきます」
泣きそうになる。
「あらあら、みんな疲れちゃったかなあ。
大丈夫かい?」
言葉少ななあたし達を心配して、おばさん達は心配そうに眉間にシワを寄せる。
「大丈夫です。
ちょっと男の子達、疲れたみたいで。
わあ! 美味しそう!
食べ終わったら、キッチンに運べばいいですか?」
快活な声で、のんがフォローする。
こういう時の、のんはすごく頼りになる。
男3人は、にこりともせず、無言のままだ。
「そうねえ、じゃあ、台所まで、お願いしようかしら。
ごゆっくり召し上がれ」
おばさん達がいなくなると、また沈黙。
「いただきます」
そう言ったのはのん。
「……いただきます」
あたしもその後に続く。