無力な僕らの世界と終わり
終わりは
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……
「おはよー、ひよ」
「はよー」
バスから降りると。
爽やかなのんの笑顔。
最近の日課になりつつある。
のんの、バス停お出迎え。
「寒いね」
「うん、ヤバイ」
今日は雪が降りそうな天気で。
風は、どこかほんの少し、雪のような匂いがする。
あたしは、コートのボタンを、一番上までしっかりと留めた。
丸襟で、かわいいウールのコート。
去年の冬、お母さんにワガママを言って買ってもらったヤツだ。
ゾロゾロ。
ゾロゾロ。
学校の昇降口へ向かう、学生の群れ。
朝の、行進。
何でもない、普通の。
朝の通学風景だ。
「……最近、静かになったね」
「……そだね」
そう言って。
白い息が二つ。
静かに重なる。