無力な僕らの世界と終わり
なんか。
なんて言うか。
緊張はするんだけど、瑠樹亜の側は居心地がいい。
口では拒否するけれど。
唾を吐き捨てて立ち去るわけじゃないし。
やっぱり、瑠樹亜は。
ただ正直なだけなんだなって、思う。
自分の感情に、素直に従っているだけなんだ。
男子とろくに付き合ったこともないあたしだけど。
なんとなく、わかるよ。
チョコレートを味わっているうちに、自分の思考がだんだん大胆になっていくのがわかる。
あたし、多分、嫌われてはない。
(嫌いだったらチョコレートくれないだろうし)
とりあえず、隣に座っていることも、許されてる。
(一方的に座ったんだけど)
「瑠樹亜くんは、F組の美山さんと付き合ってるの?」
自分でも驚いた。
いくらなんでも、こんな不躾な質問。
「話しかけないでって、言ったよね」
けれど、瑠樹亜は。
表情一つ変えない。