無力な僕らの世界と終わり
「誰もいないなら、紹介してあげようか?」
「やだよ。のんの周りの男は、みんな、のん目当てじゃん。
それに、」
『あたしだって、気になる男子くらいいるし』
そう言いかけて、やめた。
『だれだれだれ???』
と、のんが身を乗り出して、目を輝かせてくるのはわかってるし。
相手の名前を聞けば、途端にテンションも下がるだろうことも、わかっている。
だって、その相手は……
「あ、瑠樹亜だ」
ブッッ
あまりのタイミングの良さに、あたしは思わずコーラ(風味の水)を吹く。
え?
あたし、今、瑠樹亜の名前、言っちゃってたっけ??
「あ、見て見て。F組の美山さんと一緒だよ」
のんの言葉に、あたしは思わず顔をしかめる。
ああ、そうか。
やっぱりウワサは。
「やっぱり、あのウワサ、本当なのかなー」
さすが親友。
考えることが、ダブる。