無力な僕らの世界と終わり

あたしだってさ






―――――――…………





あたしは、中学の時いじめにあっていた。


いじめ……
と言うよりは浮いていた(むしろ沈んでいた?)と言った方が正しいかもしれない。


クラスではいつも、独りぼっちだった。

不潔だとかあっち行けとか、ひどいことを言われるわけじゃない。

ただ、いつからか。
いないもののように扱われた。


なんでだろう?

考えてみたけれど、わからなかった。


ただ、群れることが苦手で。
誘いを断ることはよくあった。


めんどうだったわけじゃない。

ただ正直に。
行けない理由を言った。

お母さんと買い物に行くから。
弟の太陽と留守番の約束だから。
家族で日帰り温泉に行くんだ。
図書館で本を借りるから。
予備校の下見に行くんだ。


普通の理由だった。
タイミングが合わなかっただけだ。



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