無力な僕らの世界と終わり
正直に生きるのって、すごく難しい。
あたしが、あのクラスから消されてしまうターゲットになったのも、きっと、いろんな理由があったんだと思う。
例えば、あたしは誘いを断る時に、あまり申し訳なさそうな顔をしなかったかもしれない。
残念、また誘ってね、とは言えなかったかもしれない。
ホームルームで、生意気なことを言ったことだってあるかも。
学校で漫画を読むのはいけないと思います、とか。
勉強がみんなより少しできて、先生に気に入られていたのにも、原因があったかも。
みんな仮面みたいな表情をつけている。
面白くないのに笑ったり。
本当は悪いと思ってないくせに申し訳ない顔をしたり。
言葉には1枚フィルターをかける。
キツくならないように。
嫌われないように。
あたしはそれが、多分、上手くはできなかった。
だから、いじめられたんだ、きっと。
だからこそあたしは、瑠樹亜に憧れる。
誰にも媚びない瑠樹亜。
真っ直ぐな瑠樹亜。
正直で痛いくらいの、瑠樹亜。
瑠樹亜はいつも。
瑠樹亜でしかない。