無力な僕らの世界と終わり




それからあたし達は、お目当てのカフェでお茶することにした。

ここはフルーツたっぷりのクレープが売りで、学校ではボリュームもあり美味しいと評判のお店だった。


目の前に置かれた大きな白いお皿。

いちごと生クリーム、それから、カスタードソースがかかった、大きなクレープ。

中にはスポンジも入っている。


わお。

これはダイエットの身にはキツいけど、ヨダレが出ちゃうくらい美味しそう!


うん。

うん。

ウワサ通りだわ。

あたしが黙々とクレープを堪能していると、


「あ、そうだ、ひよ。
わたしね、向井と付き合うことになったから、いちおー、報告」


アイスカフェラテを飲みながら、のんが突然そんなことを言うから、


「ぶっ」


思わず吹きそうになる。


「のんが早退した日にさ、コクられたんだ」


「って、え!? うちのクラスの向井!?」


「そうそう、向井新(あらた)」


「特進でもA組でもなくて、B組の!?」


「なに? そんなに驚くこと?」




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