無力な僕らの世界と終わり
………
「あ、二谷って、誰かと思ったら、屋上の変な女か」
隣の席で、上から目線の瑠樹亜。
んがんがんが。
眩しすぎます!!
「よ、よ、よろすく」
なんだよ、なんだよ!
よろすくって!!
カミカミのあたしに、クスリともしない瑠樹亜。
それどころかフイッと前を向いちゃって、すぐに手元の文庫本に視線を落とす。
あたしはその横顔をじっと見つめるしかないのだ。
「見るな。集中できない」
「ご、ご、ごめ」
9月に修学旅行を控えたこの時期。
今日のホームルームで、修学旅行のグループ分けをした。
うちの学校は、校長が東北の田舎出身のため。
その地域の支援だとかなんだとか、毎年修学旅行は田舎で農業体験と決まっている。
6人くらいのグループに分かれて、2泊、農作業の手伝いをしながら農家に泊まり込み。
(ちなみに3日目は温泉施設に1泊。どんだけ年寄り臭いんだ)
グループによって、色々な体験ができるらしい。