無力な僕らの世界と終わり
「なあんだ、意外と、いいカンジじゃん」
それを見て、感心している、のん。
「瑠樹亜って、あんな顔して笑うんだね。
初めて見たかも」
それからいかにも楽しそうに言うけど。
あたしは何も言えない。
茶化せない。
二人は何だか本当に。
恋人同士みたいで。
どうしよう。
なんか、あたし。
ちょっと。
いや、かなり、悲しいかも。
「どうした? ひよ。ん? おーい」
泣くもんか。
泣くもんかって、思ってたけど。
「うううーー……」
「ちょっと! ひよ!」
不覚にも、涙が出てきちゃったよ。