無力な僕らの世界と終わり
歩きやすいようにスニーカーを履いてきた。
デニムにTシャツ。
オシャレ感、ゼロ。
(のんに会ったらダメ出し確実)
なんかもう、誰に見られるとかそういうのもどうでもよくて。
とにかくこのモヤモヤを晴らしたくて。
天気もいいし。
(屋根の下だからあんまり関係ないけど)
モールの中をブラブラと歩いた。
忘れたい。
忘れたい。
あたしが見てしまったこと。
……ああ。
それなのに。
お昼時。
たこ焼きを買おうとチェーン店の前に並んでいる時。
こともあろうにあたしは。
何百人という人混みの中から、瑠樹亜の姿を見付けてしまったのです。
「あ」
「……あ」
「あ、こんにちは」
しかも、隣には。
あの、美山さんが立っていたのでした。
パクパクパク。
開いた口が塞がらないとは、まさにこのことだわ。