無力な僕らの世界と終わり






「凪さんって、すっごく、いやらしい女なの。

だって、奥さんがいた男と、その息子にまで手出して」



そう言う綺麗な美山さんの表情が歪んで、あたしはけど、やっぱり心ここにあらずで。



「今は、お父さんが海外に長い出張に出てるから。
瑠樹亜があの女に、飼われてるみたいなもんなの」



淡々とした口調で、ものすごいことを話してるけど。
あたしには、彼女の言っていることの意味が、よくわからない。

というか、わかりたくないのかな。


なんであたしに、そんな話をするのかも。




「凪さん、普段は仕事してて、家を空けてるんだけど。
仕事のストレスがたまってくると、瑠樹亜にセックスを強要するの。

学校まで休ませて。
一日、ベッドの上で飼い殺すんだ」



けど、美山さんの話は止まらなくて。
(というか、ますます生々しい)


あたしは今にも。
めまいで、ぶっ倒れてしまいそうで。

けれど、耳はちゃんと捕らえてる。
瑠樹亜の……秘密のことを。













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