無力な僕らの世界と終わり
駅前のバス停で、沢山の人が降りた。
後ろの広い座席が空いて、あたしと瑠樹亜は腰を下ろす。
瑠樹亜が窓際で、少し空けて、あたしはほぼ中央に。
けど、結局また混んできて、あたしと瑠樹亜はピッタリとくっついて座った。
立っている人もいないけど、空席もない。
「お前さ……」
そんなバスの中で、瑠樹亜が小さな声であたしに話しかけてきた。
「は、はいっ」
緊張で、変にかしこまってしまう。
「僕達に、協力してくれない?」
「きょ、協力?」
「そ、同じしおり係のよしみで」
し、しおり係のよしみって……
このしおり係のせいで(いや、おかげで、か?)こんなことになっちゃってるんですけど。
僕達に、って。
やっぱり、美山さんのことだよね。
「あ、あ、うん。
あたしに……できることなら」
そう。
何だってできちゃう。
大好きな男の子のためなら。
……多分。
「僕と、章江の。
『世界の終わり計画』に参加して」
「……?」
「世界の終わり、計画」
…………
えーーと。
「世界の、終わり?」
「そ、世界の終わり」
ええっと。
意味が、よく……
わからないんですけど。