無力な僕らの世界と終わり




……ん、でも。
ちょっと待って、ちょっと待って?

協力するって、つまり。
二人が落ち合うって、つまり。



「あの……瑠樹亜くん。
その……

意味がよく、わからないんだけど」



しどろもどろのあたしに、瑠樹亜はただ、鋭い視線だけをよこした。

そしてまた、前を見据える。
その目は相変わらず何でもないことのようで。
決意めいてもいない。


ええっと、これは、つまり……
これ以上、説明はないってことかな?


案の定、それからしばらく、二人の間には沈黙だけがあって。
その間、あたしの頭は、ぐるぐると空回りし始めていた。



美山さんによると。
瑠樹亜は、継母の「凪さん」って人に、飼われてる。

えっちなことを強要されてるとか、何とか。

えっちなこと……
ああ、うん。
だからあの時、ソファーの上で、あんなことを。


それで、だから……

『世界を終わらせる』???


そもそも、世界を終わらせるって、どういうことなんだろう。


計画を実行?
その、協力?
しかも、修学旅行中に?

わからないことだらけで、あたしはまた、めまいがした。











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