無力な僕らの世界と終わり





「ひよりー、電話よおー!」



一階からお母さんのバカでかい声がして、家デンに電話とか珍しいなーと思いながら下りて行くと。
受話器を握るお母さんの顔が、やけにニヤニヤしている。



「アイダくんって、男の子からよ」


……アイダ?

あ、相田??
る、る、る、る、瑠樹亜!?

び、びっくりしすぎて心臓飛び出そう。



「も、も、も、もしもし……」


ニヤニヤ顔のお母さんから、あたしは恐る恐る受話器を受けとる。


「携帯番号、教えて。

挨拶して名乗るのとか、めんどくさい」



あ、はい。
そうですよね。

名乗るまでもなく、この俺様な言いぐさは瑠樹亜に違いない。

あたしのスマホの番号を伝えると、数分後に知らない携帯番号から着信があった。



うわあ、どうしよう。
まさかのあたしのスマホに瑠樹亜からの着信!!

瑠樹亜の携帯番号ゲット!!!



「は、は、はい!」


「声でかいんだけど」


「あ、ごめ……」


「今から来れる?」


「は、あ、う、うん」


「駅前、カフェ、テラスハウス」


「あ、あ、あの、木造のお洒落な建物だよね?」


「3時に。章江も来るから」


「あ、は、はい」



それだけ言って電話は切れて。
あたしは時間をチェックする。


って、え?
もう2時回ってんじゃん!?

3時に駅前とか、マジ!?




< 95 / 215 >

この作品をシェア

pagetop