無力な僕らの世界と終わり
ふーん、とか、はっはーん、とか。
さっきから怪しい目付きで、うるさいお母さんにお願いして。
駅前まで車で乗せてもらった。
(何着ていこうか悩んでたら、結局3時ギリギリになっちゃったし)
あたしのクローゼットの中で、一番かわいい(と、あたしは思っている)デニム地のワンピースを着て。
いつか、のんが、このワンピースに合わせて選んでくれた、レザーのサンダルを履いた。
歩く度に足首のフリンジが揺れて、かわいい(らしい)のだ。
「おっせえ」
瑠樹亜と美山さんを見付けて駆け寄ったあたしに、さっそく瑠樹亜は一瞥をくれた。
いや、まだ、ちょうど3時くらいじゃん?
って、あれ。
お店の時計、3時を5分過ぎてる。
「ご、ごめ」
「いいじゃん、5分くらい。
急に呼んだんだから」
女の子には色々あるのよねー、と、美山さんが笑顔でフォロー。
桜色のグロスが、唇で光っています。