だって好きなんだもん
そこで私は、今日はリクエストされた範囲内で響ちゃんにし返してやろうと思いつき、あえてほうれん草を選ぶ。
ほうれん草は嫌いじゃないみたいだけど、すごく好んで食べるほどではないらしい。だけど、グラタンなら美味しいはずだし。
――これくらい、許されるよね?
なんて学習能力の低い私は、まだまだ響ちゃんを甘く見ていて
「うししっ」
なんて言いながらホワイトソースをかき混ぜていた。
出来あがりに満足して、丁度野菜スープとご飯ができたところで
ガチャン
鍵の開く音がして
「ただいまー」
という声が聞こえた。
聞こえた、といっても1DKのこのお家はそんなに大きくないからすぐに目が届く範囲だけど。
「おかえりなさいっ」
そう言って、響ちゃんに向かって思い切り飛びくと
「ん。ただいま」
ぎゅっと抱きしめ返してくれて、チュッと耳にキスをしてくれる。
それだけで胸がギュッとなって、幸せーって思えるから、響ちゃんパワーはすごい。
抱きしめる力を緩めて私から離れると、響ちゃんは鞄とスーツを置きに部屋へ行ったけどすぐに戻ってきた。
「飯、出きてる?」
楽しみにしていたのか、早々に顔をのぞかせて聞いてくる。
そのことに気を良くしながら私は尋ねた。
「うん、丁度できたとこ。先食べる?」
「食べる」
即答に併せてニコッ笑顔付き。それに気分を良くしながら私たちは一緒にテーブルに着いた。
だけど、今日の響ちゃんが優しい笑みだったのは……ここまでだった。
「はい、どおぞー」
私はテーブルクロスの上に響ちゃんと私のグラタンとスープ、ご飯を置いた。
しかし、これを見た瞬間――響ちゃんは一言私に爆撃を落とした。
「いい度胸してんじゃねぇか。なぁ、菜摘?」
超のつくくらい綺麗で最高潮に意地悪さを込めた笑みが私に送ってきた。
「ひぃぃ。な、なんのことか、わ、分かんないしっ」
やばい。絶対に! ぜーったいに、ほうれん草に決まってる!
そうは分かっていたけれど、認めたくなくてすっとぼけた。
そして相手は、そんな私を易々と許してくれるつもりはないらしい。
「ほお……今認めたら許してやろうと思ったのになぁ」
低く地を這うような声が聞こえが、私の耳に届いた。
ほうれん草は嫌いじゃないみたいだけど、すごく好んで食べるほどではないらしい。だけど、グラタンなら美味しいはずだし。
――これくらい、許されるよね?
なんて学習能力の低い私は、まだまだ響ちゃんを甘く見ていて
「うししっ」
なんて言いながらホワイトソースをかき混ぜていた。
出来あがりに満足して、丁度野菜スープとご飯ができたところで
ガチャン
鍵の開く音がして
「ただいまー」
という声が聞こえた。
聞こえた、といっても1DKのこのお家はそんなに大きくないからすぐに目が届く範囲だけど。
「おかえりなさいっ」
そう言って、響ちゃんに向かって思い切り飛びくと
「ん。ただいま」
ぎゅっと抱きしめ返してくれて、チュッと耳にキスをしてくれる。
それだけで胸がギュッとなって、幸せーって思えるから、響ちゃんパワーはすごい。
抱きしめる力を緩めて私から離れると、響ちゃんは鞄とスーツを置きに部屋へ行ったけどすぐに戻ってきた。
「飯、出きてる?」
楽しみにしていたのか、早々に顔をのぞかせて聞いてくる。
そのことに気を良くしながら私は尋ねた。
「うん、丁度できたとこ。先食べる?」
「食べる」
即答に併せてニコッ笑顔付き。それに気分を良くしながら私たちは一緒にテーブルに着いた。
だけど、今日の響ちゃんが優しい笑みだったのは……ここまでだった。
「はい、どおぞー」
私はテーブルクロスの上に響ちゃんと私のグラタンとスープ、ご飯を置いた。
しかし、これを見た瞬間――響ちゃんは一言私に爆撃を落とした。
「いい度胸してんじゃねぇか。なぁ、菜摘?」
超のつくくらい綺麗で最高潮に意地悪さを込めた笑みが私に送ってきた。
「ひぃぃ。な、なんのことか、わ、分かんないしっ」
やばい。絶対に! ぜーったいに、ほうれん草に決まってる!
そうは分かっていたけれど、認めたくなくてすっとぼけた。
そして相手は、そんな私を易々と許してくれるつもりはないらしい。
「ほお……今認めたら許してやろうと思ったのになぁ」
低く地を這うような声が聞こえが、私の耳に届いた。