だって好きなんだもん
 「ちょちょちょっ、響ちゃんっ!?」


 「どした?」


 「どしたじゃないよぉ~」



 半ベソで立ち尽くす私を余所に、さっさと服を脱いでいく響ちゃん。


 すでにパンツ一枚で、いつでもお風呂モードの響ちゃんだけど、私はまだエプロンすらつけたままの状態だ。



 「ほら、脱げよ」



 そう優しく言いながら私のエプロンを外して、バサッと上の服を脱がしにかかる。



 「ひゃあぁ!」

 「今更叫ぶなよ。いつもしてるだろ?」



 甘ーい声で言うけど、目が、目が怖いよぉ~


 そしてスカートもさっさとはぎ取られた私は、呆気なく下着姿にされてしまった。


 最後の砦であるそれにも手をかけられて



 「お、ねがい、これだけは、自分で」

 「出来んの?」

 「う……、ん」

 「じゃ、俺先入ってるから。……絶対来いよ」



 にっこりと笑みを浮かべて、パンツをサッと取って響ちゃんは入ってしまった。


 私は震えながらも下着を何とか脱いで、これ以上ないくらい体中を真っ赤にしながらタオルで前を隠して


 「は、入りますっ」


 と言って、入室した。


 入るとすでに浴槽に体を沈めていた響ちゃんが目に入る。



 「ホラお前も入れよ」


 ―――っ!


 穴があったら……いや、穴を掘ってでもどこかに入りたい境地だった。


 けれど、私は我慢してシャワーで体を流すと


 「女は度胸だ!!」



 と覚悟を決め、一気にお風呂に体を沈めた。



 ばっしゃーーー!!!



 二人分の堆積に耐えきれずお風呂の湯が溢れ出る。


 ソレをみてさらにパニックを起こした私は



 「お湯が、お湯が~!」



 と叫ぶ羽目になってしまった。


 もちろんそんな私を見て響ちゃんは大爆笑で



 「あははっ、ホントお前だけは面白すぎる! あっはははっ、腹、いてぇー」



 なんて私の背後で思いっきり笑っていた。
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