だって好きなんだもん
 私がこんなに恥ずかしい思いしてるのに、ちっとも響ちゃんに勝てなくて私は今日も負けだった。



 だって、大爆笑する響ちゃんもカッコいいんだもん。



 私がぶくぶく沈んで膨れていると、そっと私を引き上げて



 「ごめん、菜摘。笑いすぎた」



 甘く耳元で囁いて、甘くて優しいキスをしてくれた。



 結局私は、いつも響ちゃんの言いなりだった。



 心も何もかも響ちゃんに支配されていて、言いなりになってない部分なんてどこにもなかった。



 ただただ、好きで。



 響ちゃんが私を見て笑ってくれてるならそれでいいやって思っていた。



 だって、あんな悲しい場面を目撃するなんて思ってなかったから……
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