だって好きなんだもん
びっくりして目を見開いたままの私。
ものの2秒ほどのキスはすごく長く思えて、私の心臓は壊れそうなくらいバクバクしていた。
相変わらず教室は静まり返っていて、響ちゃんは声を張り上げなくても十分通る声で指示を出した。
「お前ら、今日の1限は自習だ。それから委員長!」
「は、はい!」
「隣の1組にも1限は自習って言いに行って来い」
「はいぃっ!」
「俺は、春日井先生の調子がすぐれないから保健室に連れて行く。……全員、分かったな」
睨みを利かせて生徒を見渡す響ちゃん。
生徒全員、その響ちゃんがあまりにも怖くて
「はいっ!」
と、一斉にビシッと返事をした。
こんなそろった返事、私聞いたことないし。
「それから、今のこと誰かに言ったら全員社会の評価は1と思え。いいな?」
その恐ろしい脅しに、首を必死に縦に振りまくる生徒がそこにいた。
「行くぞ」
私をひょいと簡単に抱きあげる響ちゃん。
「お、降ろしてっ」
――生徒の前で恥ずかしすぎる。
「お前は病人なんだから、おとなしく担がれてろ」
そう言って、意地悪な笑みを浮かべた響ちゃんは私を本当にそのまま保健室に連れて行った。
こんな大胆な行動をとっているのに、誰にも見つからずに到着してしまうから不思議だ。
保健室に着くと、響ちゃんと同期の森田先生が朝のコーヒーを飲みながら座っていた。
抱きかかえられている私に少しだけ驚いた様子だけど、
「コイツと話あるから部屋貸して」
響ちゃんはさらりとそんなことを言う。
「じゃー今度、晩飯ゴチね。詳細もよろしくー」
なんて言って、森田先生はあっさり保健室を明け渡してくれた。
――いいの? ココ、保健室ですよね?
森田先生は外に出るとカチャと鍵を掛けて、保健室を不在表示にしてくれたようだ。
私はやっと響ちゃんの腕の中からベッドに下ろされて……気づけば、響ちゃんがいつかの時のように膝立ちで私の前にいた。
ものの2秒ほどのキスはすごく長く思えて、私の心臓は壊れそうなくらいバクバクしていた。
相変わらず教室は静まり返っていて、響ちゃんは声を張り上げなくても十分通る声で指示を出した。
「お前ら、今日の1限は自習だ。それから委員長!」
「は、はい!」
「隣の1組にも1限は自習って言いに行って来い」
「はいぃっ!」
「俺は、春日井先生の調子がすぐれないから保健室に連れて行く。……全員、分かったな」
睨みを利かせて生徒を見渡す響ちゃん。
生徒全員、その響ちゃんがあまりにも怖くて
「はいっ!」
と、一斉にビシッと返事をした。
こんなそろった返事、私聞いたことないし。
「それから、今のこと誰かに言ったら全員社会の評価は1と思え。いいな?」
その恐ろしい脅しに、首を必死に縦に振りまくる生徒がそこにいた。
「行くぞ」
私をひょいと簡単に抱きあげる響ちゃん。
「お、降ろしてっ」
――生徒の前で恥ずかしすぎる。
「お前は病人なんだから、おとなしく担がれてろ」
そう言って、意地悪な笑みを浮かべた響ちゃんは私を本当にそのまま保健室に連れて行った。
こんな大胆な行動をとっているのに、誰にも見つからずに到着してしまうから不思議だ。
保健室に着くと、響ちゃんと同期の森田先生が朝のコーヒーを飲みながら座っていた。
抱きかかえられている私に少しだけ驚いた様子だけど、
「コイツと話あるから部屋貸して」
響ちゃんはさらりとそんなことを言う。
「じゃー今度、晩飯ゴチね。詳細もよろしくー」
なんて言って、森田先生はあっさり保健室を明け渡してくれた。
――いいの? ココ、保健室ですよね?
森田先生は外に出るとカチャと鍵を掛けて、保健室を不在表示にしてくれたようだ。
私はやっと響ちゃんの腕の中からベッドに下ろされて……気づけば、響ちゃんがいつかの時のように膝立ちで私の前にいた。