止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
8
目を覚ますと…
電話が鳴っていた。
里穂からだ…。
絶対に、出ない。
早く、りんさんに
純さんに会いたい…。
暫く鳴っていたが
鳴り止んだ。
履歴を見ると…
お父さん
お母さん
里穂
直夜さん
沢山の履歴。
「心配しないでって、
言ったのに…。」
このままじゃ、
警察に捜索願い出されるのも困る。
見つかるのも
時間の問題だろう。
でも、電話したく無い。
「りんさんに、相談してみよう。」
りんさんに電話をした。
出たのは、
直夜さんだった。
「加奈!!
どれだけ、
皆に心配をかければ気が済むんだ?!
佐伯さん達にも…」
直夜さんが、怒っていた。
「心配なんかしないでよ。
私の事は、忘れてよ…。
そうしたら、みんな幸せになれる。」
「お姉ちゃん!」
どうやら、スピーカーモードにして
皆で、聞いてるのだろう。
「お姉ちゃんも、いなきゃ…
居なきゃ…幸せじゃないよ!!」
こいつ…本当に馬鹿じゃなかろうか。
誰が、大好きだった婚約者を取られて
子供も居て…
そんな幸せを、近くで見なくてはならなくなる。
胃がムカムカしてきた。