止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
「馬鹿じゃないの?!


私の幸せを…

壊したアンタ達の

幸せそうな家庭を見てろっていうの?!


アンタ達は、それで幸せだろうけど…


私は、どうなる?!


私の記憶は、結婚式をする目前で


止まってた。


目を覚ましたら…


妹のアンタと直夜さんが

結婚してて…


子供まで、居た。


この悲しい気持ち。



アンタ達には、分からない。




私が、戻っても…


里穂や直夜さんに、


暴言を吐くだろうし…。


里穂のお腹の中には、



赤ちゃんが、居る。



私が、居ればストレスが溜まる。」







一気に、素直な気持ちを



吐き出した。




少しスッキリした。



電話の向こうは、


静かになった。



「確かに…


今の里穂には、


加奈はストレスだろうな。」



「そんな事ない!」



今の妹の態度は、


悲劇のヒロインっぷりだ。




腹が立つ。









「それでは、


私達の所で…


加奈ちゃんを預かります。」



りんさんが言った。




「こんな状態では、


加奈ちゃんは帰りません。



無理矢理戻しても…


加奈ちゃんの心が


本当に、壊れてしまいます!」




りんさんの優しさに、



涙が溢れた。




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