止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
「お待たせしました。」
「いや。待ってない。
行こうか!」
景吾さんの笑顔は、本当に素敵だ。
ぼーっとしていたら…
景吾さんは歩き出していた。
私は、歩きだす景吾さんの後を追いかける。
「加奈って、
実は、太っていただろ?」
「は?」
唐突な質問にビックリした。
「あははは!
ごめん!ごめん!
俺は、スポーツインストラクターやってんだ。
色々と、体の事勉強してるんだ。」
「実は、三年間昏睡状態でして…
その前まで、太っていたんですよ!
頑張って、筋肉付けたんですけどね。」
悲しそうな顔を、していた。
「そんで、昏睡状態の時に…
婚約者と私の妹……。」
涙がポロポロ出てきた。
まだ、笑っちゃうぐらいの思いでには
早かったかな…。
大丈夫だと思った…のに。
急に、泣き出した私に…景吾さんはオロオロして居る。
「だっだっ…大丈夫か?!」
「だっびじょゔぶでっ…。」
鼻水まで、垂れてきた。
最悪だ。
景吾さんは、私の顔を自分のタオルでゴシゴシ吹いてくれていた。
その後…
私を抱きしめていた。
景吾さんの厚い胸板に、顔を埋めた。
「よしよし。」
私の背中を、トントンしてくれて…
落ち着く…。
香水じゃない、景吾さん自身の匂い。
お日様みたいな…。
でも、ちょっと汗の臭いもするが…
気にならない。
アイツとは、全然違う。
私は、景吾さんに抱きしめて貰っている方がずっと良い。
そんな事を、考えていた。