止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
暫くしてから、
「加奈…
大丈夫か?」
沈黙を破ったのは、景吾さんだった。
「は…い。
すみません。大丈夫だって、思っていたんですけど…。」
景吾さんから、離れる。
自ら離れたのに、寂しさを感じてしまった。
不意に、
両頬に痛みを感じる。
景吾さんが、両頬を引っ張っている。
「そんな暗い顔をすんな!
加奈は、
笑顔が一番だ!
きっと、笑っていれば…
必ず幸せは、やってくる!」
景吾さんという人の優しさに、
また私は、号泣してしまった。
「言った側から、泣くなよ?」
「だっでぇぇ…
景吾さんが、
優しすぎるんだもの。」
その後は、
景吾さんの仕事の話や
純さんとのエピソードなどで盛り上がった。
なんと、景吾さんは…
りんさんの元彼らしい。
ビックリした。
辛くないかって、聞いたら…
「辛かったけど、
りんや純は…大事な人だからな!
最終的には、りんが幸せなら。
それで、良いんだって思っているんだ。」
景吾さんは、照れながら笑う。
「そっか…
私も、いつか…
そう思える時が来るかな。」
景吾さんは、強く頷いた。
「加奈なら、
できるさ。
俺もみんなも、居るしな!」
私は、また小さな一歩を踏み始めた。