止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
14


やっぱり好きなのかな…。




うん…



ランチ以来…景吾さんの事が物凄く気になってしょうがない。



目が合うと、二カッて笑い返される。




ドキドキ心臓の音がうるさい。





「おい。


加奈、最近笑顔が多くなったな。」



嬉しそうに、話しかけてくる景吾さん。



りんさんは、ニヤニヤしながら私を見る。




「りんさん…


なんですか…


その顔は。」




「べっつにぃー。」


意味あり気に言いながら、去って行く。




私は、みんなと仲良くなり始めた。





ふざけあって、心から笑えている。





目が覚めた時は、こんなに早くに




笑える日が来るとは思わなかった。






でも、家族やアイツは




許せない。




思い出すだけで、胸が苦しい。





早く、忘れたい。





そんな事を、考えていた矢先だった。






「いらっしゃませー!」





私が、一番会いたくない人達の来店。








「加奈。」


「おねぇちゃん。」




「な……んで?」




りんさんは、慌てて言った。



「私が、ここを教えたの。


それで…加奈ちゃんの情況を

家族の人に定期的に、知らせていたの。」




全身から、


血の気が引いているのが分かる。





心臓の音がうるさい。





周りを見ると、ちらほらお客様が居る。




ここは、職場…落ち着いて対応しよう。




知らない人。知らない人。




「お客様、お席までご案内させて頂きます。」




目を合わさず、2人を案内する。



2人も、黙ってつい来ている。


「では、こちらがメニューでございます。


ご注文が、お決まりになりましたら…


こちらのベルでお呼びください。」





私は、早くキッチンに戻りたい。



そうは、させない妹。


私の手首を掴む。



「おねぇちゃん。

元気だった?」


「……。」


「まだ、許してくれないのね。」



しょんぼりと、席に座る。



アイツは、凄い顔で睨んでいる。




怒りたいのは、こっちだ。





アイツは、わざわざ謝りに来てるのにその態度は何だという感じだろうな。























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