止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
「只今、勤務中ですので…
失礼致します。」
怒鳴ろうとしていたアイツを、
必死で止めている妹を尻目に…
足早に、休憩室に入る。
これは、久しぶりに…
来るかも…。
大輔君が、丁度出勤してきたみたいだ。
「まだ、オープンしたばっかだろ?
サボんなよ。」
ハァハァ…
息がっ……。
私は、しゃがみ込んでしまい…
苦しそうにしていたのを、
大輔君が発見して…
凄い慌てていた。
「加奈?!
きゅっきゅっ…
救急車?!」
慌てて部屋を出て行った。
ヤバイ…意識が…。
バンっと空いた扉。
「か…加奈?!」
私の側に、駆け寄り…背中を摩り…
紙袋を用意していてくれた。
「ゆっくり…
すーはー。」
一緒に、呼吸を合わせてくれ…
数分で、何とか落ち着いた。
「っ…ありがとう…ございましっ…た。」
「気にすんな。
流石に、びっくりしたけどさ。」
助けてくれたのは、景吾さんでした。
あとから、来た純さんに…
「今日は、遥も来るみたいだから…
景吾、お前…加奈を送って
行ってくれないか?」
「大丈夫だ。
心配だから、お前らが帰って来るまで
面倒見てるわ。」
「そ…そんな…。」
「拒否権はなさ、無いからな。」
純さんは、ニヤリと笑いながら言った。
「俺じゃ、ダメか?」
うるうるした目で言われちゃ断れない。
私は、景吾さんと2人で帰宅しようと
お店を、出た。