止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
なんと、景吾さんにおんぶして貰っている。
「重くないですか?」
「大丈夫だよ。
普通の男じゃ、出来ないだろうけどなっ。」
からかう様に、言った。
ムカついたから、余計に体重をかける様に景吾さんにしがみつく。
「ばっ?!
あぶねーな!」
よろける景吾さん。
見ると、耳が真っ赤だった。
「ごっめんなさーい?
景吾さん…耳が真っ赤なんですけど。」
どうやら、密着しているのが…恥ずかしいみたい。
「そんなことないって!」
慌てる景吾さん、可愛い。
「可愛いー!」
「年上をからかうもんじゃないぞ?!」
楽しい。さっきまで、辛くて苦しくて悲しかったのに…。
景吾さんと居ると、忘れられる。
一緒に居ると…
やっぱり、好きなんだ。
景吾さんの事。
認めたくないけど…。
好きなんだ。
認めちゃうと、意識してしまう。
人間って、そんなもんじゃない?
私は、
景吾さんの事が好きなんだ!!
付き合いたいとか、結婚したいとか
そんな事は、今の所ない。
好きって気持ちを大事にしたい。
また、裏切られるかもしれない。
だったら、想ってるだけで良い。
それが、一番自分が傷つかなくて済むんだから。
私は、景吾さんに恋をした。
裏切られてから、数年経った春先の出来事だった。