止まない雨は無い。ーハッピーエンドのその先ー
高級マンションの前で、泊まった。
「凄いーー!
ここって、超高いんじゃないんですか?!」
「…まぁ、親の遺産の一部だよ。
親って言っても、養子縁組で引き取られたんだけどなぁ!」
その一言で、私は景吾さんの事を全く知らないんだなって思う。
そして、もっと知りたい。
「そーだったんですね。
私……。」
しょぼくれていた私を、景吾さんは頭を撫でてくれた。
「気にしてないから。
俺、何にも話してないしな。
知ってる訳ないしよ。」
そして、私の手をぎゅっと握って引っ張って歩いていた。
「はいっ!」
何と、思った以上に上の階数だった。
「ここが、俺の家。」
カードキーで、鍵が開けられるなんて…
ホテルみたい。
「お邪魔します!」
玄関を、開けると…
綺麗に片付いている。
「綺麗ですねー!!
私は、片付け苦手なんですよ。」
リビングのソファーに座らせて貰いながら…キョロキョロしちゃう。
「そんな、キョロキョロるなよ。
恥ずかしいじゃんか。」
景吾さんって、本当に照れ屋で可愛い。
見た目は、怖い感じなのに。
そのギャップが、良いんだよね。