Love is -memoryー
「お疲れ様。愛美の具合どう?」
「熱は高めですけど、よく眠ってます」
電話の相手は愛美の父親であり、社長でもある夕都だった
「そう。妙に甘えたじゃない?」
「はい」
「めったに風邪ひかないんだけど、熱出すと子どもっぽくなるんだよ」
あの状態は昔からということか
一緒に暮らし始めて2年近く
愛美が体調を崩すのも初めてのことだった
「ほら」
「ありがとうございます?」
渡された袋の中にはいくつかのフルーツ
「レシピは中に入ってる。愛美が小さい頃作ったものだ。良かったら作れ」
「はい」
「遅くに悪かったな。聖司も徹夜はするなよ。愛美なら気づくから」
「はい」