Love is -memoryー
「ありがとうございます。またお越しくださいませ」



愛美が指定したのは有名ケーキ店のフルーツゼリー。


ロールケーキが売りの店だがゼリーも秘かに評判が良い



エントランスに入りナンバーを打つ



「はい……オーナー?」



少し驚いた理桜の声が聞こえ、扉が開いた



エレベータを降り部屋の前でもう1度インターフォンを押す



「悪いな」



「いえ。どうして?」



当たり前だ。



「これ愛美から」



袋ごと箱を渡した



「彼女は?」



チラリとリビングから続く寝室に目をやる



「眠ってます。起きている体力がないって言った方が正しい気がしますけど」



寝室を見つめる理桜の表情はかなり心配そうだ。


眠る前にも何かあったのだろう。



「今晩休みで良いから」



予約も大して入っていないし、週末でもない



「でも」



「一人にできないんだろ?」



「はい。ありがとうございます」



軽く理央の肩を叩くと部屋を後にした




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