大嫌いな君との30日間。
早朝の電車は、思ったより人が少ない。
同じ車両にいるのは、おじいさんが1人。
外は結構明るくなってきている。
電車はすごいスピードで私を連れて行く。
周りからはどんどん音が消えていく。
途中でとまった駅で老夫婦らしき人たちが入ってきた。
ゆっくりと流れていく時間。
普段の慌ただしい生活を忘れさせる。
心が軽くなっていく。
気付けば、私は眠っていた。
「お嬢さん、終点ですよ」
「ん…え?あ、はいっ!」