未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
俺と綾はH&Rの話題から、仕事のことや車のこと、好きな食べ物や高校時代のこと、そんな何気ない会話を笑ったり、驚いたり、「それはないだろう」とツッコミを入れてみたりしながら話し続けていた。
不思議なことにたわいない話をしているこのときがいちばん綾を近くに感じることに気付いた。
時折見せる綾の表情や仕草が胸に痛みを走らせるほど愛しく感じたが、会話することに徹することにした。
外が明るくなってきたようだ。
ずうっと話し続けて、綾の目もとろんとしてきていた。
「眠くなった?」
「うん、。恭は? この後、仕事あるんでしょう?」
「俺は若いから大丈夫」
「そっか、そうだったよね。恭はまだ十代だもん」
綾が両手であくびを隠しながら言った。