未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
27.水色
「恭、あのね、わたし……」
「なに?」
「ちゃんと基礎からイラストの勉強をすることにしたの」
今にも寝てしまいそうな瞳で綾が微笑んだ。
「東京に行く」
「東京?」
「うん。頑張ってその道でやっていけるようになる」
「一人で行くの?」
綾はきょとんとした顔で俺を見る。
「もちろん、一人で」
「なら、元旦那はどうすんの?」
なんとも間抜けな問い方をしてしまった。
綾は眠気が少し覚めたようだ。
「彼とは一生、縁は切れないと思う。でもそれだけ」
「――」
どう理解していいか、悩んでしまった。
俺の表情を見て、察したのか綾が言葉を続けた。