未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
「最近ね、いつも持ち歩いてるんだ」
軽く首を傾げて微笑みながら、真っ白なページを開き、そこに灰色の色鉛筆で一人の女性のシルエットを描きだした。
俺は左隣に座り、綾の描くものをじっと見ていた。
「これね、わたし」
言いながら、女性のつま先から上に向かって灰色で染めていく。
綾は描いた女性のウェストの高さまで染めると、手にしてた色鉛筆を置き、水色の色鉛筆を手にした。
そして、眼の位置から頭のてっぺんに向かう線と、耳の位置から胸のほうに向かう線を描き、俺を見る。
「この水色が恭が変えてくれた部分」
胸の中心に水色の円を描きその色で染める。
同様に頭の真ん中の辺りにも円を描き、染める。
残った身体の部分をまた、灰色で染めて綾はその絵を俺に差し出した。