未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
もう会わないとか、これで最後とか言わないでくれと、女々しくも心の中で呟いていた。
「そうね。また、いつか、どこかで」
微笑む綾の瞳にうっすらと光るものを感じながら、俺は抱き締めたいのを必死に堪えて、ドアの外に出た。
これが最後じゃないって自分に言い聞かせながら、これが最後だという波に飲み込まれそうになっていた。
俺ってこんな奴だったんだ。
自分で自分の知らなかった一面を突きつけられた気がした。
カッコワルイな。
ここで涙が零れるなんて。
泣くところじゃないだろう?!
でもどうしようもなく痛い。
俺は行き場もなく、思い通りにもならない想いを知ってしまったんだ。