未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
第四章
28.繋がらない携帯電話
『離婚したばかりの彼女にとって、恭くんの存在は癒しであり、自己肯定や自尊心を保つのにとても有効だけれど、恭くんの若さはかなりの毒だよ』
あのときに確か、静さんが言っていた。
その通りだったってことなのかな――。
綾と過ごした日から、二週間が経っていても、俺はあの日のことを考えていた。
あれから、綾に一度もメールを送れないでいる。
綾からも一度も届かない。
以前はこんなに構えることなくメールを送れていたはずだ。
今は、本文を打っている間に(こんなことで送っていいのだろうか?)などと指が止まってしまい、結局クリアキーを押してしまう。
そんなことの繰り返しだ。