未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
「隣の県までドライブしてみるか?」
ふと、声になったのはその言葉だった。
「隣の県?どっち?茨城?」
「福島」
福島県の郡山には綾がいるんだよな。
「いいけど、おもしろいとこあったっけ?」
「わかんない」
「ねぇ、那須に可愛くて美味しいお店があるからそこに行こうよ」
上野が上目遣いで俺を見る。
「わかったよ、那須ね」
俺は苦笑いして、アクセルを踏んだ。
上野は満足そうに微笑む。
「高坂君に会えたら、絶対勇気出して声かけようって思ってたんだ」
そう言われるのは、悪い気はしないけどなぁ、俺、何やってんだろ?と、心の中が曇っていった。