未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
6.本音と本性
《今、食事中だけど、その後、綾に会いたい 》
今、自分の胸を占めている想いを伝えるのを、『会いたい』って言葉に込めてメールを返信する。
もう、軽い乗りでは、伝えきれない。
俺の心には余裕がなかった。
《ほんとうに、会えるの? 》
綾からのメールにも、余裕がないように感じた。
綾も俺に会いたいんだって確信出来るようだった。
血が一気に胸に集まってきたかのように音がしている。
目の前に注文したパスタが置かれた。
(なんで、こんなに量が多いんだ?!)
いつもなら、このくらいのボリュームで、そんなこと感じたりしない。
でも、今は、1分でも早く店を出たかった。
「わ~、トマトクリームも美味しそうだね。カルボナーラよりそっちが良かったかなぁ」
上野の顔を見る。
なんだか申し訳ない気持ちと、面倒臭い気持ちが入り混じっていた。
それでも、その割合は圧倒的に『面倒臭い』が占めていた。