未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
7.思考と行動
黙々とカルボナーラを食べ始めた上野。
俺もただ、目の前のパスタを口に運ぶ。
いちばん気になるのは、綾へ返信をしていないこと。
綾が不安に感じているかもしれない。
何とか、携帯電話を取り返さなくてはならない。
しかも、マナーモードのままだから、着信があっても、気付くことが出来ない可能性が大だ。
俺は手を止めて食べるのをやめた。
食ってる場合じゃねぇよ。
考えろ、俺。
「食べないの?」
「もう、いらない」
上野もフォークを置く。
「出ようか?」
「うん。時間もあまりないんでしょうから」
俺は伝票を手に席を立つ。会計を済ませると上野が千円札を手に後ろに立っている。
「わたしの分」
「いいよ」
「でも、誘ったの、わたしだし」
「いらない。それより携帯返して」
上野は俺の目を真っ直ぐに見た後、「ご馳走様でした」と言って店を出た。
俺は大きくため息を吐き、上野の後から店を出た。