未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
「なんだ、大輔じゃん。どうした?」
「参ったよ、ヤス。やられたよー」
その声は俺が高校受験で抜けた後からずっと、康則さんのバンドのギターをしている大輔さんだった。
「今、恭司来てんだよ。お前もあがっていけよ」
「恭司? マジで来てんの?」
「あぁ。久しぶりだろ? 会うの」
「うー、なんちゅうタイミングなんだよ、まったく」
「なんだよ? タイミングって」
康則さんの問いには答えずに、大輔さんは俺の目の前に現れた。
「久しぶりっすね」
「そうだな。ある意味、ちょうど良かった。お前に話がある」
大輔さんの顔が笑ってない。
いつも微笑んでいるような人だったけどなぁ。
なにかあったのか?
「お前、今日、上野百合に会ったのか?」
「あぁ。大輔さん、上野のこと、知ってるんですか?」
俺の問いが良くなかったのか、「知ってるも何も……」と言いながら、大輔さんの表情が険しくなっていくのを感じた。