未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
14.したたか
大輔さんは腕を組んで「ん~」っと深く息を吐いたまま、言葉を発しなかった。
(何だろう?)と思いながらも、なんだか気まずい空気が漂っている感がしていて、俺も黙っていた。
「大輔、飲む?」
康則さんがビールを三本持ってきた。
「ほら、恭も飲めよ」ポンっと俺の目の前にも一本置いてくれたが、俺はそれを康則さんのほうに押し戻す。
「いや、俺、車だから」
「じゃあ、飲ませるわけにはいかないね」
横から、静さんがその一本を取り、缶を開けて飲み始める。
勢いよく、半分くらい飲んだ。
そして、大輔さんのほうに視線を向ける。
「あのコはやめたほうがいいって、忠告してあげてたのにね」
大輔さんの顔が赤くなった。
それは図星を指された後のバツの悪さのようにも感じた。
もしかして、大輔さんと上野は――。