未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
「それで、大輔さんはいいんすか?」
大輔さんがうな垂れる。
そして小さく頷く。
「俺のことはもういい。気にするな」と。
痛かった。
目に映る大輔さんも、耳に届くその言葉も、俺には痛かった。
「優しくなんてなれないです。きっとまた、俺は傷付ける」
大輔さんが顔を上げて俺の目を見る。
「また? 傷つける?」
「だから、大輔さんが守ってやればいい。俺は自分の想いだけで、手がいっぱいだから」
「恭司、お前……」
大輔さんの鼻先で俺は玄関のドアを閉め、出て行った。