未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
携帯電話を右手に持って、ベッドにうつ伏せに倒れ込む。
枕に顔をうずめた後、右手の携帯電話の画面に視線を向ける。
最後に発信のボタンを押して、耳に当てる。
数回のコール。
出た!!
「こんばんは」
綾だ!!
(当たり前だけれど綾だ!!)
「無事に着いた?」
「うん。恭も?」
「もち。安全運転第一主義だから」
「そうね」
声が少し笑っているみたいだ。
きっとあの優しい笑顔だ。
「今日はありがとうね。話せてすうっとした気がする」
「俺も話してくれたことが嬉しかったよ」
「これからは自分のこと、もっとちゃんと考えてあげようって思い始めたよ。だからもう、わたしのことは心配しないで」
「――うん」
あー、きやがった。
しかもこんなに早く『心配しないで』だなんて。
どこまでの意味で放たれた?
深読みし過ぎ?
なんて切り返す?
どーするよ?俺?!