未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
俺の言葉を綾が遮った。
そして、一呼吸おいて、ゆっくりとした口調で綾が話し出す。
「ねぇ、まだ二回しか会っってないから、恭にはきっとわたしの悪いところを知られてない」
「悪いところ?そんなの――」
「聞いて。きっと今はまだ、恭の中でイメージして作り上げたわたしだと思うの。メールだけでしか見えてこない部分でね。だからそんな風に想ってしまうだけで」
そうじゃない。
そんなんじゃない。
そんな曖昧な感情じゃないんだ。
「それなら、もっと逢いたいよ。もっと見せてよ」
「わたしなんかよりさ、もっと周りに――」
「わたしなんかって言っちゃダメだ」
今度は俺が綾の言葉を遮った。
そんな言葉を言わせたいんじゃない。
聞きたくない。
「綾だからなんだよ」