未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
体を起こしたその時、サイドガラスを叩く音がした。
右を見ると、上野が小さく微笑んで立っている。
窓を開けると上野はそこに手をかけ、顔を横に傾げながら、「高坂君、このあと予定入ってる?」と言った。
「別に、なにもないよ」
「えーと、一緒に遊ばない?」
言いながら、少し緊張したように硬くなる上野の顔。
助手席を一度見て、小さく笑った俺はCDケースをダッシュボードの中に入れた。
「乗る?」
瞬間、上野の表情が明るくなり、「うん!」と弾けるような返事を聞いた。