未成年・恭~【恭&綾シリーズ】2
「――赤ちゃん、――嘘だったんだって」
「え?」
「本当は妊娠してなかったらしいの、相手の人。彼も知らなかったらしくて。騙されたことに傷ついているみたいなの」
「って、会ったの? 元旦那に?」
「うん。一昨日電話があって」
「なんだよ、それ」
思わず、口から出てしまった。
今さらなんだよ。
妊娠が嘘だったからって、何で綾に連絡できるんだ?!
「わたしは――」
振り返って一度言いかけて、下唇を噛みながら言葉を飲み込み、そして意を決したかのように顔をあげ、綾はゆっくりと話し出した。