She Loves Me
「帰んねーの?」
「と、図書室に行こうかと」
なんとなくどもってしまって気付いた。
多分あたし、緊張してる。
「プッ。いいんちょーって、キャラ全くブレねぇなー」
何がブレないのかはよくわからないけど、イガラシは思ったよりずっとよく笑う人だと思う。
「あっ、そうだ。春休みに渡された、進路希望のプリントを提出してください。山口先生に頼まれてるので」
あと1枚、イガラシのプリントが揃えばあたしの委員長としての最初の仕事はこなしたことになる。
「プリント?あー、なくしたかも」
あなたこそ、やっぱりキャラが全くブレないじゃないか、とツッコミたくなった。
あたしの中にイガラシは不良、というレッテルを貼ったことを思い出す。