She Loves Me
答えを聞きたくて、じっとイガラシの目を見つめる。
イガラシはガシガシと頭をかきながら、少し照れ臭そう。
「……ネコ…」
消え入りそうなその声は、普段なら聞き逃してしまいそうなほどだ。
「ネコ?」
恥ずかしそうに打ち明けるイガラシによると、つまり。
遅刻してちょうど学校に来たイガラシが教室に向かって廊下を歩いてると、廊下がなにやら騒がしい。
見ると何人かが、窓の方から外を眺めている。
そこにイガラシの友達が通りかかって、どうやら窓の向こうに迷い込んだのか、可愛いネコの親子がいるらしいとわかった。
思わず、ネコ?と窓の方に駆け寄ると、もともと窓に張り付いてネコを眺めていた人が急に背後から声がして、驚いて、思いっきり手を窓についてしまい、割れたらしい。
「なにそれ…」
あたしはもう、笑いをこらえることができなかった。
「イガラシはキャラ、ブレまくりだね」
「なんだよ、それ」