She Loves Me
学校を遅刻したイガラシが日誌を書けるようにと、用意した紙を握りしめる。
「よかったら、これ使って」
授業の内容をまとめた紙をイガラシに差し出す。
イガラシは、ぽかんとしている。
しまった。
唐突すぎる。
いきなり、理由もなく使って!と紙を差し出す人なんか怪しすぎる。
あたしは急に後悔した。
「それ、幸が翔太のために授業の内容まとめたんだよ!あんた、日直だから日誌書かなきゃなんないのに遅刻してっから!」
助け舟を出してくれたのは、タイちゃんだった。